横浜、神戸、長崎といえば三大中華街として有名です。常時多くの観光客が訪れていて、ちょっとした異国情緒を味わえるのも楽しみのひとつです。
このような「チャイナタウン」は世界中の主要な国、都市にあると言われ、あらためて中国商人のグローバルな商魂には感心させられます。
池袋駅の看板・広告スペースがまるで中国
さて、話しは広告の話しになります。
あれ?ここは中国か?と思ってしまうほど、中国色満載の広告物が東京は池袋にありました。
それがこれ↓↓です。
バックの赤も中国っぽいです。
右の「友誼商店」という文字も、いかにもっていう感じでいいですね。
さて、なんでこのような看板が池袋にあるかと言うと、今、池袋のチャイナタウン化がかなりの規模で進んでいるようです。
池袋駅北口を出ると、中華料理店が多いのにびっくりするほど。
しかも、これらの中華料理店を利用しているお客さんは、ほとんどが中国人なのだそうです。
観光客向けの店舗ではなく、近隣に暮らす、あるいは近隣の会社で働いている中国人の会社員、自営業者、留学生が相手なのです。
この辺では、彼ら中国人が中国本土と同じように食事や酒を楽しみ、食材を買っていく生活があります。
池袋のチャイナタウン化の背景
1980年代以降、日本政府の「留学生10万人受け入れ計画」の影響か、、多くの中国人が日本に留学するようなりました。
その後1990年代後半のバブル経済の崩壊による影響か、新宿や渋谷に比べて家賃が安く、日本語学校も近くにある池袋に中国人が集まるようになったようです。
そして、彼らの中には卒業してそのまま日本で仕事をする人や、店を出すなど自立する人も多くなり、自然とそのまわりにも中国人が増えていったそうです。
と同時に、一時的に治安が悪くなった風評が広まり、空き物件が増えるようになりました。
そこで物件のオーナー達は、それまで外国人を敬遠していたのですが、方向転換を余儀なくされ、中国人経営者に物件を貸し出すようになったというのが現在の状況(池袋チャイナタウン化)に至った大きな理由なのです。
チャイナタウン化は埼玉県川口市にも波及
池袋のチャイナタウン化に連動し、最近では池袋から近い埼玉県川口市周辺にもチャイナタウン化が波及しているようです。
中国人が増え、仕事につき、しっかりした家庭を持つようになると、日本で定住するための住まいが必要になります。
そこで池袋の郊外としてほど近い川口市に多くの中国人が住むようになりました。
他地区と同様に、ここ川口市でも庶民的な中華料理店が増えていき、中国人向けの商品を扱うスーパーなども増えていきます。
今では、こういった店に日本人が訪れる傾向もみられるようで、よそいきでない、家庭的な中華料理が楽しめると人気になっているようです。
ひそかに話題になる大阪市今宮界隈のチャイナタウン化
日本最大のドヤ街として知られる大阪市西成区のあいりん地区。
かつて24回の暴動が発生し、貧困や差別など社会問題が凝縮したこの街が今、大きく変わろうとしているのはご存知でしょうか?
日雇い労働者御用達の簡易宿泊所には外国人バックパッカーが増え、訪日外国人交流施設や星野リゾートのホテルが建設されることになっています。
さらに“大阪中華街”をつくる構想も浮かんでいます。
この地区での商店街で飲食店などを営む華僑の団体が計画していて、高齢化による閉店などが相次ぐ商店街の活性化を狙うというものです。
実際、今でも日が暮れると、中華街の候補地内にある飛田本通商店街には、黄や赤などの派手なネオンに彩られた「カラオケ居酒屋」なる看板が目立つようになります。
カラオケ居酒屋と同様の店は約150軒。
約10ある周辺商店街全体の3~4割を占め、多くは中国人経営だそうで、すでにチャイナタウン化は進んでいます。
ただ、これらカラオケ居酒屋が増えたおかげで、騒音問題が起きたり問題となっています。
そんな状況もあって、周辺で飲食店や不動産業などを営む中国・福建省出身者約40人が「本格的な中華料理などの店に変え、商店街に活気を取り戻したい」と、「中華街構想」を打ち上げました。
この「中華街構想」では、中心地を大阪市天王寺動物園(天王寺区)南西側の南北約500メートル東西約400メートルのエリアとしています。
商店街の出入り口に「中華街」の門を建て、同会会員が持つ土地や店舗などを中心に、中華料理店や雑貨販売店などを開店させる計画だそうです。
今宮周辺か天王寺か、すぐ近く同士ではありますが、大阪万博を前にして、この地域でのチャイナタウン化は確実に進みそうです。
いずれこの地域の広告物も、中国色満載の広告になるのでしょうね。