仕掛学が面白い~大阪環状線総選挙~人が自然に行動したくなる仕掛けとは?

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仕掛学タイトル

「仕掛学」・・・耳慣れない言葉がテレビから流れてきました。

あなたは知っていましたか?

初めて聞いた言葉ですが、何気にテレビのニュースを観ていて、この仕掛学という言葉になぜか心が引っ掛かり、画面をのぞき込んだわけです。

「学」という文字にあるように、実はこれは学問分野です。

大阪大学大学院経済学研究科の松村真宏教授が提唱されているもので、人の行動を変える「仕掛け」を対象にした学問だそうです。

なにやら販促につながりそうです。

しかもアメリカのスタンフォード大学の講義でも用いられている日本発のフレームワーク、仕掛学【Shikakeology】との事。

ますます興味がわいてきます。

仕掛学は、「ついやってみたくなる」というような仕掛けによって、問題の解決につながる行動を誘発する仕組みを見つけ、そこから新しい仕掛けを開発するという研究分野なのだそうです。

少し難しそうです。

教授によると、

「押してダメなら引いてみな。」

「一言で言うとこれが仕掛けの極意です。人に動いてほしいときは無理やり動かそうとするのではなく、自ら進んで動きたくなるような仕掛けをつくればよいのです。」

だそうです。

しかし、これだけではまだ何がなんやらわかりにくいですね。

そこで、テレビで紹介していたのが、現在、実際にこの仕掛学を実践しているイベントです。

テレビに紹介されるイベントをさらに注意深く観ていると

このイベントが「なるほどっ!」と感心するぐらい面白かったのでここでシェアしてみます。

単純・わかりやすい!でも今までなかった画期的なイベント!

現在、仕掛学を実践しているイベントというのが、JR西日本グループと大阪大学大学院経済学研究科「シカケラボ(仕掛学ゼミ)」が、JR大阪駅で実践している共同実験

「大阪環状線総選挙」です。

JR大阪駅といえば1日約85万人が利用する大阪一の乗降客数を誇る駅ですが、その大阪駅から一つ隣の駅、つまり

一つ東隣の駅「天満駅」

一つ西隣の駅「福島駅」

 

この天満駅と福島駅は、その周辺に飲食店が集中していて、今話題のスポットになっています。

そこで、この2駅に着目し、

「アフター5に行くならどっち? 天満or福島?」

「皆さんの清き1票をお待ちしています!」

 

という選挙風に仕立てて投票を促すイベントが「大阪環状線選挙」なのでした。

しかも、面白いのは投票の仕方で、じつはここに「仕掛学」が実践されているのです。

投票は、駅構内のホームに向かう昇り階段になっています。

大阪駅仕掛学

写真にあるように、天満側、福島側と色分けされた階段のどちら側を昇るかで、そのまま投票になるのです。

階段を昇る途中でセンサーが人を感知して、その都度1票がカウントされます。そして・・・

昇りきると頭の上に現在の投票数が表示されるのです。

なるほど、つい階段を昇りたくなる仕掛けです。

この派手な色の対比をつけた階段を使った投票方法こそ、「ついしたくなる」仕掛けなのですが、仕掛学には背景にちゃんとその目的があります。

つまり、「ついやってみたくなる」・・・ここではつい階段を利用したくなる~仕掛けによって、問題解決につながる行動を誘発するわけです。

 

JR西日本グループが仕掛学に求めたものとは?

「大阪環状線選挙」にJR西日本グループが求めるものというのは、ズバリ!駅の混雑の緩和です。

実は、この階段の左側にエスカレーターが設置されています。

普段はほとんどの人がこのエスカレーターを利用してホームに向かうわけで、階段はガラガラ。

よってこのエスカレーターはいつも混雑しやすく問題発生の要因となっています。

大阪気仕掛学2

そこで、今回の投票仕掛けによって階段の利用を促すことでエスカレーターでの混雑の緩和を図りたいというのが真の目的なのです。

しかも、利用者に運動の機会を提供し、より健康になってくださいね!という狙いもあるのです。

天満駅か福島駅か?というのは実はどちらでもよかった訳ですね。

まぁ、投票の結果は後日発表されますが、このイベントによってどれだけ効果があったのかを検証して、今後の混雑緩和策の参考にしていくということでしょうか。

それにしても、「仕掛学」に納得させられる企画ですね。

さらに調べてみると他の事例もあったので紹介しましょう。

2つのゴミ箱。片方だけにゴミを捨てたくなる仕掛け

シカケラボ(仕掛学ゼミ)が、実際に大阪大学のキャンパスに仕掛けた2つのゴミ箱での実験です。

2つは同じゴミ箱なのですが、一方にはバスケットボールのゴールネットがついているという仕掛けです。

阪大ゴミ箱

さて、人はどちらにゴミを捨てようとするのでしょうか?

もちろん、ゴールネットがついている方ですね。

教授によると、

通常のごみ箱に比べ、ゴールネットが設置されている方は1・6倍のゴミを集めたのだそうです。

つまり、多くの人は好奇心にかられて、ゴール付きのゴミ箱にシュートし、ゴールつきの方が、ポイ捨て防止などには、より有用だと分かったそうです。

「ごみ箱とバスケットボールのゴールは、どちらも誰でも知っている。ただ、その組み合わせは見たことがある人はほとんどいない」

と松村教授。さらに

「見慣れたはずのものが見慣れないものに感じること(馴質異化=じゅんしついか)と、見慣れないものが見慣れたように見えること(異質馴化=いしつじゅんか)が同時に作用し、好奇心を呼び寄せたと分析される。」

さすが、仕掛学が学問だというのもうなずけますね。

阪大病院に仕掛けられたローマの休日~真実の口~

阪大病院では、来訪者らの手や指の消毒率が低いとのデータがあり、インフルエンザの流行期を前に、有効な対策を模索していたそうです。

「楽しみや驚きを交えながら消毒液の使用を広げたい」

と考えた病院は、松村教授の研究室に相談。

そこで仕掛学の登場となりました。

映画「ローマの休日」で有名なイタリアの観光名所「真実の口」

オードリーヘップバーンが手を入れるシーンが有名ですよね。

誰もが思わず口に手を入れたくなる衝動にかられる口です。

その真実の口を病院内に設置しました。

これが仕掛けです。

真実の口から消毒液

で、病院の来訪者や患者さんが、その真実の口に手を入れた瞬間、その手に消毒液がかかる仕様が施されました。

口に手を突っ込むと、その手に消毒液がシューッとかかります。

最初は皆さん驚いていたそうですが、今では小さな子供からからお年寄りまで、今まで消毒液をあまり使ったことがなかった人まで、みなさん真実の口に手をかざし、しっかり消毒利用されているそうです。

これで来訪者の消毒率が大幅アップしたそうです。

 

パン屋さんの試食率をアップさせた仕掛けとは?

阪大近くのパン屋さんでの検証です。

そのパン屋さんの悩みは「お客様がなかなか試食してくれない」といいうことでした。

「一度試食すると、商品を買わなければいけない」という心理が働くことで、これを「辺報性の原理」というそうです。

誰かから何かをしてもらうとお返しをしなければ申し訳ないという感情が働く心理だそうです。

なるほどよくわかりますね。試食にはなかなか戸惑いますね。

そこでシカケラボ(仕掛学ゼミ)は、複数の試食用パンを用意し、試食後にどちらがおいしかったかを、つまようじで意思表示できる方法を考案。

心理的なハードルが生まれやい通常の試食を、アンケートや投票といった形に変えたのです。

すると、通常の試食に比べて、意思表示型の方が、お客様に試食される回数が増えたことが分かったといいます。

仕掛学のアイデアを少し入れるだけで、このように結果に変化が出てくるのは本当に興味深いです。

 

仕掛学、興味のある方には松村教授の本がありました

さて、たいへん興味深い「仕掛学」ですが、従来の宣伝・販売促進の仕事にも色々と参考にできると思いました。

教授の書籍などがあるかなと調べてみると、ありました。アマゾンで売ってました。

仕掛けの事例を分析し、体系化。

「ついしたくなる」仕掛けのアイデアのつくり方など、仕掛けに関する内容がどっさり掲載されているようです。

仕掛学に興味を持たれた方、書籍を購入して学ぶといいと思いますよ。

 

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