寒い日に思い出した1円で失敗したプレゼン
日本列島全体が冷え込んで、寒ぅ~い1日になりそうですね。
「寒ぅ~」といえば、関西人にとって気温や外気が寒いという以外にも色々な意味で使いますが、
場を読めなくてまわりを引かせてしまう時にも使いますね。
プレゼンなどで、一人こういう人が混じっておられると
どうしていいか困ってしまうことありませんか?
こちらが、そのどうしようもない「間」を埋めようと焦って、
口から出任せ気味に和ませる言葉を言ったつもりが、
逆効果になったりすると、とても始末が悪いものです。
「君があそこでつまらんこと言うから、あの人(寒くした張本人)、不機嫌そうだったぞ」とか、
いつの間にか、こちらの責任になってたりします。
10年も前の話になりますが、
あるショッピングセンターに携帯を使った販促の提案に行ったときに、
こういった経験をしました。
ショッピングセンターの人10人ぐらいを相手に話は順調に進行し、
みんな「なるほど、面白い」と、携帯マーケティングに興味を持ち始め
それこそ、こちらの「いい感じ」の言葉や表情になって
盛り上がりを見せる中、そろそろ終盤になった時、
ある経理担当者が、
「メールを受信したら1円ぐらいかかるのでしょう。
だから私はメールをしたことがないんですよ」
と発言されました。
次の瞬間、まわりの雰囲気が一転しました。
もちろん、私が一番凍り付きました。
まったく、予想してなかった言葉だからです。
まわりの人々は、
「こいつ、1円のためにメールしないのか?」
という驚きの表情でしたし、私も同感でした。
その頃は、まだ通信費としてそのぐらいの金額がかかり、
多数のメールを受信すると、その分の料金がかさむという認識ではありました。
それにしても、受信が多い人でも月にして数十円です。
だから私も、こういう意見がでるのは全くの予想外と決めつけていたのです。
それでその場は適当に(殆どその人の意見は無視して)取り繕いました。
結局、そういうことがあって、最終的には検討するでその日は終わり、
その後、ショッピングセンターの親しい担当者と食事に行ったとき、
「あいつ、寒いこといいよったなぁ」と私に言ってくれました。
お金の価値以上に1円から想像するイメージを見落とした結果
でも、あとでよく考えてみると、完全に私のミスです。1円ぐらいと思う人もいれば、1円もかかると思う人もいます。
そこで、彼にも納得できる答えを用意していなかった私のプレゼンの
甘さがありました。
人の価値観は千差万別、きっとお客様の中には1円もかかるという人もいるはず。
「1円というよりも、メールを受信するのにお金がかかる」というのにみんなの意識が向いたのかも知れません。
そういった人たちにも、1円以上に「徳する価値」があることを
きっちり伝えていかなければなりません。
たかが1円、されど1円ですね。
今日のこの寒風の中、そんな経験を思い出しました。