河野太郎行革担当大臣がワクチン担当大臣に任命され、1月27日には川崎市の自治体で、医師2名、看護師5名を含むスタッフ24名と、受診者役の20名でワクチン接種のシュミレーションが行われました。
受付、予診ではワクチン接種に至るまで当初想定していた以上に時間がかかるなど、課題も多く出てきたようですが、とりあえずコロナ感染予防に効果的な具体策が一歩進んだ感はします。
現在、全国の自治体でも接種の準備が進められていますが、ワクチン接種開始までの体制構築や実施方法を策定する中で、同じように様々な課題が表面化してくるものと思われます。
そんななか、国内7,800万人が利用するコミュニケーションアプリ「LINE」は、新型コロナワクチン接種に関して、LINEを活用した「新型コロナワクチン接種予約システム」の提供を行うと発表しました。
LINEを活用した「新型コロナワクチン接種予約システム」
今回川崎市で行われたシュミレーションでも傾向が見られましたが、ワクチン受信に至る受付や問い合わせなどに対する人的リソースにかなりの体制が必要になると想像できます。受信する側も、なにぶん初めての事が多いはずで、いざワクチン接種が始まってみると接種予約を取るのに手間ひまがかかったり、わからない事で問い合わせするようなことも多くなると予想されます。
LINEではそのような背景を受け、住民からのワクチン接種予約をコミュニケーションアプリ「LINE」で完結できるシステムの提供をするとのことです。
具体的な仕様は導入する自治体及び開発会社によって異なるそうですが、自治体の公式LINEアカウントを通じ、自治体から通知される接種券の券番号などを入力することでワクチン接種の会場や日時などを予約・変更することが可能になるシステムです。
また、新型コロナウイルス及びワクチン関連情報などjへのアクセスや、チャットポッドを活用しよくある質問への回答も同アカウントから可能になるようです。
この「新型コロナワクチン接種予約システム」をコールセンターなどと併用して導入することで、住民は普段使い慣れたスマホのアプリから、24時間、場所を問わず予約や管理ができるようになるということです。
1月末現在で、すでに「神奈川県寒川町」、「和歌山県紀の川市」など全国の約100の自治体が導入を決定・検討しているようで、今後もかなりの自治体が手を上げるのではないかと思われます。
LINEのAIツール「LINE CLOVA」で電話対応サービスも
LINEは又、ワクチン接種予約システムの他にも、電話対応についてLINEのAIソリューション「LINE CLOVA」を使った支援を提供するそうです。
LINE CLOVAは電話対応を自動化する「LINE AiCall」を使い音声応対サービスを可能にします。
多量の電話対応が発生した際の現場での対応や、住民からも「忙しくて電話できない」「かけても電話がつながらない」といった考えられる課題に対して、LINE CLOVAの導入で対処が可能になります。
また、24時間の受付が可能になり、多量の電話にも同時に対応することも可能になり、接種日の予約、予約前日のリマインド(再確認)、接種後のフォローの3段階の自動化も可能になります。
また、オンライン本人確認「LINE eKYC」を活用することで、接種会場での受付支援も可能になります。
接種会場に来場する前に本人確認を済ませることができ、会場では接種券をアプリで読み込むだけの簡単な作業で受付を完了することができるようになります。
本来会場で行う身分証提示による本人確認の手間を簡略でき、接種希望者の会場での待ち時間を減らし、対応人数の削減なども可能になるなど、自治体ではより職員の負担を軽減することになり、住民にとっても予約から接種にいたる一連の流れが便利になります。
この他にもLINEでは様々なシステムを駆使し、新型コロナワクチン接種における効率的なフローを実現するための提案を行っているようで、今後さらに多くの自治体で導入されるのでは思います。