新型コロナウイルスは今だ終息の目途もたたず、一説では2〜3年は元の生活形態には戻れないだろうともいわれています。
そんな中、コロナウイルス対策として今やマスクは人類必携アイテムになりました。
以前は風邪を引いたときにしかお世話にならなかったマスクですが、今では世界中の人の必携アイテムになっています。
いつまでマスクを付けないといけないんでしょうね?
当初、マスクが市場で品薄状態になり、高値で販売されたり転売されたりといった問題も起こり、アベノマスクなるものも登場しました。
しかし、間も無くマスクは安定供給され始め、半年たった今では遠い昔のことのようにすら感じます。
ただ、その期間、世界ではマスクの重要性が話題となり、そこには大きな市場が形成されてきました。
不織布の使い捨てマスクが殆どだった市場に、布マスクやポリウレタン、さらにこの冬にはフリース素材まで出てくる様相です。
市場拡大を受けて、従来マスクを製造・販売などしていなかった異業種の企業が、ここぞとばかりマスク市場に参入してきました。
国内企業ではシャープやユニクロが、海外に目をやると世界的な企業・ブランドもマスク市場に本格参入しており、マスク販売ビジネスは世界的なマーケットとして確立されようとしています。
マスク市場にスポーツ&アパレルブランド続々参入!
欧米の人にとって、マスクは主に医療従事者や重病の患者が付けるもので合って、普段、街中でつけるという習慣がなかったため、日本人のように街中でマスクをつけるなど、到底想像できなかったようです。
しかし、コロナウイルス感染が拡大するにつれて、マスクに対する認識が変わり、今ではアメリカやドイツ、フランスなど主要国では、マスク着用を義務付けする国も出てきました。
お隣の韓国では、マスクを付けないと罰金を徴収されるようです。
かのドナルド・トランプ大統領も、当初は頑なにマスク着用を拒んでいたようですが、いざ自身がコロナウイルスに感染したことで、マスクの重要性を認識したのではないでしょうか。
どうやらそうはいかず、ホワイトハウス高官をはじめ周りに感染が拡がっているみたいですね。
そのような状況の中、不謹慎かも知れませんが、さすが欧米の商魂だと思われる素早い動きがあります。
有名スポーツメーカーや有名アパレルブランドがマスク市場に多数参入しているのです。
世界的な企業も独自に差別化を図ったマスクの製造・販売に参入
日本が品薄で混乱を見せていたように、欧米でも同じ現象は起こっていました。
そのためGoogleやFacebookは、当初マスクの値段が高騰したことを受け、問題が起こるのを防ぐためにマスク関連の広告の出稿を禁止にしました。(今では緩和されています)
しかし、2020年4月になると、米疾病対策センター(CDC)が布マスクを自作するガイドラインを公開し、セルフディフェンスを勧めた頃から有名スポーツメーカーや有名アパレルブランドの動きが活発になり始めました。
世界最大のスポーツメーカー「ナイキ」や、大手アパレル販売チェーンの「ギャップ」などが、布マスクの製造に着手し、有名ブランドの布マスクが市場に登場したのです。
これらのマスクは従来のマスクとは大きく差別化されたモノになっています。
スポーツブランドのマスクは、スポーツメーカーならではの機能性素材を大きくアピールし、アパレルブランドは、デザイン、カラーなどに特長を持たせファッショナブルになっています。
これらスポーツメーカー&有名アパレルブランドのマスクは、医療用とは一線を画してはいるものの、新型コロナウイルスの原因の1つである飛沫を防ぎ、感染をガードする役割には十分の品物です。
今までの白の不織布素材一辺倒のマスク市場に、新しい潮流が生まれたのです。
代表的なものをピックアップしてみました。
Banana Republic(バナナリパブリック)布マスクは食糧支援にも役立つ販売方法で!
Gapグループであるファッションブランド「バナナリパブリック」は、カラフルなデザインを取り入れた布マスクを、3色セット29ドルで販売しています。
デザインもさることながら、マスク1つ売れるごとに10ドルを、食糧支援の非営利団体フィーディング・アメリカに寄付すると発表しました。
この辺がアメリカの企業らしく素晴らしいと思います。
ディズニーもキャラクターでマスクを展開
子供から大人まで世界中で愛されているディズニーも布マスクの販売を始めていて、ディズニーのオンラインストアで確認できます。
さすがディズニーで、ディズニーキャラクターからマーベル、ピクサーのキャラクターを施したマスクを購入できます。
特に子供向けのマスクのデザインは、鼻と口が描かれたものなど可愛いデザインが多く見られます。
価格は約20ドル。
ディズニーも例に及ばず、マスクの販売収益から最大で100万ドルを医療用具を提供する団体に寄付することになっています。
有名アパレルメーカーもマスク市場に続々参入
世界のファッション業界をリードする有名アパレルブランドやセレクトショップも特徴的なマスクの販売に進出しています。
その中でも、特に特長的な、そしてファッション業界に影響を与える企業のマスクをピックアップしてみました。
Anthropologie(アンソロポロジー)マスク
フィラデルフィア発で今年日本でも公式オンラインショップを立ち上げたセレクトショップ「Anthropologie(アンソロポロジー)」。
大人のカジュアルに馴染む、エスニック調やボタニカル柄のマスクを販売していて、ファッション性の高いマスクを好むならおススメです。
Losangelsapparel(ロサンゼルスアパレル)フェイスマスク
徹底した環境対策を施したブランドとして知られている「ロスアンゼルスアパレル」は、このマスクブームに先立って、3月の上旬より「コットンマスク」を販売しています。
カラーバリエーションの豊富さが特長ですが、さらにコットン100%のフレンチテリー素材(吊り編み機調のゆるめの編み地)の製品をリリースしています。
ロスアンゼルスアパレルは、政府公認の請負業者で、病院や政府機関にもマスクを供給しているそうです。
LIBERTY(リバティ)フェイスカバー
リバティプリントで有名な英国を代表する百貨店「LIBERTY(リバティ)」。
独創的でひじょうに美しい生地「リバティープリント」を使用したマスク(フェイスカバー)になっています。
価格は約40ユーロ(約5400円)で5枚セットになっているのが特長です。
しかし5枚はランダムで選ばれるので、柄の指定買いはできないようです。
OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH(オフホワイトc/oヴァージルアブロー)
OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH(オフホワイトc/oヴァージルアブロー)は、コロナ禍以前からマスクを販売している数少ないファッションブランドです。
ラグジュアリーなストリートウェアをコンセプトにしているブランドで、大胆なグラフィックプリントが有名です。
マスクの内側に市販のガーゼやフィルターを装着できるポケットが特長で、見た目も機能性も備えたマスクコレクションになっています。
ただし、1枚12,000円と結構な価格になっています。
他のアパレルでは、「オールドネイビー」も様々なデザインの布マスクを販売しています。
また、セレブに人気のロサンゼルス発ブランドの「リフォーメーション」も、医療用ではありませんが布マスクを5つ入りで販売しています。
自身が使うのは勿論ですが、25ドルで寄付のために購入することもでき、寄付されたマスクは社会基盤を支えるエッセンシャル・ワーカーたちに贈られるそうです。
アパレルではありませんが、バッグのブランドで有名な「アーティファクト」もマスクの生産に着手し、また、キッチンメーカーの「GIR」もシリコン製のマスクの販売をスタートさせています。
スポーツメーカーもマスクなら負けていられない
アパレルブランドだけではなく、スポーツメーカー各社もマスク市場への参入が目立っています。
そもそもスポーツメーカーが扱う素材は機能性素材が多いことから、参入するにも短期間で製造できる素地はありました。
また、スポーツメーカーのロゴやブランドロゴは、スポーツ中継など露出される機会も多いため、マスク市場への参入は魅力的なものなのでしょう。
日本では、プロ野球が開幕されて選手のつけるマスクにチームカラーを反映したものがテレビ画面に映り、同時にマスクに記されたマークが目に入ることから、スポーツメーカーのマスクは大人気です。
adidas(アディダス)フェイスカバー
8月7日よりアディダスの直営店で販売がスタートされましたが、店舗、オンライン予約販売とも即完売という人気ぶりです。
通気性に優れつけ心地も快適、しかもスポーツブランドらしくシンプルでクールなデザインなので、人気が出るのも納得です。
未使用のプラスティックを含まないエコな素材を採用しているのも特長の一つです。
価格は1390円です。
UNDER AMOUR(アンダーアーマー)のUAスポーツマスク
アンダーアーマーは、医療用マスクの開発時のノウハウ活かした「UAスポーツマスク」を販売しています。
アスリートの健康と安全性を最優先に設計されたマスクで、通気性やフィット感、涼しさ、洗濯で繰り返し使用できるなど機能性を重視したマスクになっています。
6月21日から公式サイトで販売されましたが、即完売。再販予定がたたなかったほど需要の多いマスクになりました。
価格はちょっと高めの3000円です。
MIZUNO(ミズノ)の「MISUNO MOUTH COVER(マウスカバー)」
ミズノの「MISUNO MOUTH COVER(マウスカバー)」は、水着や陸上競技のウェアで使用される素材を使ったマスクです。
伸縮性に優れ、ソフトなフィット感。フェイスラインを包み込み、耳周りの締め付け感を軽減した設計で飛散拡散を抑止してくれます。
バリエーションも豊富で、単色タイプ全9色、プリントタイプ全7種類/15色、アイスタッチ(接触涼感素材)全4色と豊富なカラーと柄を揃えています。
こちらもミズノ公式サイトでオンライン販売されていますが、抽選になり即完売。
再販が期待されているようです。
価格は935円です。
New Balance(ニューバランス)の「NB Face Mask V3」
ニューバランスの「NB Face Mask V3」は、以前より100万個を超える汎用マスクを製造してきたノウハウをを活かした軽量で優れた快適性とフィット感を備えた3層構造のマスクです。
価格は3枚セットで$24.99で販売されましたが、現在は完売しているようです。
日本での販売は今のところ未定のようです。
DESCENTE(デサント)の「DESCENTE ATHLETIC MASK」
デサントも「DESCENTE ATHLETIC MASK」を9月中旬より公式サイト及び一部の直営店舗で販売をスタートしましたが、例に漏れず即完売の状態です。
スポーツウェアで培ってきた知見を活かしたマスクは、顎とマスクの間に空間をあけて通気口を作り、高温多湿環境でもドライな状態をキープする独自開発素材を使用することで、息苦しさと蒸れを抑制し、運動中でも飛沫を防いでくれます。
価格は2200円で現在再販が期待されています。
アシックスの「ランナーズフェイスカバー」
アシックスは、快適な呼吸をしながらパフォーマンスを最大限発揮できるよう、アシックススポーツ工学研究所で開発した独自のテクノロジーを搭載したランナーのためのマスクを開発しました。
販売は8月25日より9月15日迄で、抽選での申し込みとなりました。
申し込みが締め切られた現在では、再販予定を告知していないようです。
価格は4180円です。
スポーツウェア同様、スポーツメーカー各社のマスクは機能性素材を使用していて、さらに独自のノウハウが活かされているため、一般的なマスクに比べて割高の印象になるようですが、スポーツ選手が使っているのをみると、ストリートでもちょっと使ってみたい気がしますね。
マスクは新型コロナウイルス感染予防の最低限のエチケット
アパレルやスポーツメーカーから販売された代表的なマスクをピックアップしましたが、勿論マスクだけで新型コロナウイルスの感染を完全に防げるモノではありません。
しかし、周りに飛沫を飛ばすことを防ぎ、周りからの感染を防ぐ意味でも必携アイテムになったことは確かで、マーケットは拡大傾向になることは間違いありません。
そうなると、洋服やバッグなどファッションアイテムの一つとしてストリートの定番アイテムになることも間違いなく、今後様々なメーカーがマスクの開発・販売に乗り出してくると思われます。
マスクを消費する側も、従来の不織布の「使い捨てマスク」やちょっと手軽で洗濯して繰り返し使える「布マスク」、そしてちょっと高級感を出した「有名ブランドマスク」、運動をするときに付けたい「スポーツブランドマスク」など、着用する場面に応じたマスクを持つようになるのでしょうかね。