3月14日まで期間限定の特別吊り革列車が運行
電車の車内広告には、中吊りポスターやドア横、ドア上ポスター、ドア・窓ステッカーなど多くの広告枠があります。
今では多くの電車で採用されている、吊り革の広告もそのうちの一つです。
その吊り革をうまいアイデアで例年話題を集めているのが、近鉄電車(近畿日本鉄道株式会社)がこの時期に展開する「幸せを運ぶ吊り革」企画なのです。
近鉄電車が行う特別な吊り革は、
桜模様を施した五角形の合格祈願吊り革(99本)
ハート型の恋愛成就吊り革(3本)
ゴールドの輪の金運招福吊り革(1本)
クローバー型の開運招福吊り革(4本)
の4種類で、約430編成ある車両のうち107編成に1編成あたり1本ずつ設置されます。
期間中に近鉄電車に乗ってこれらの吊り革に出会うことができれば、それぞれ祈願された幸運が手に入るかも?! という、たいへん面白い企画だと思います。
ちなみに、それぞれの吊り革に祈願された内容は
・合格祈願吊り革
最後まで諦めず、あと一歩の努力で合格を掴んでいただきたいという願いを込め安倍文殊院、宇賀多神社、金峯山寺吉野脳天大神、西大寺、信貴山朝護孫子寺、達磨寺、東寺、道明寺天満宮、結城神社の名称を記載した五角形の桜模様
の吊り革になっています。
・恋愛成就吊り革
恋愛が成就し、二人三脚で歩んでいただけるようにという願いを込め総本山長谷寺の名称を記載したハート型の吊り革になっています。
・金運招福吊り革
千両以上ある車両の中でたった1両にしか設置されていない吊り革をつかんで千載一遇のチャンスをつかんでいただけるようにという願いを込められています。信貴山朝護孫子寺の名称を記載したゴールド色の吊り革になっています。
・開運招福吊り革
幸運を呼ぶと言われている四つ葉のクローバーにちなみ、吊り革をつかんで運が開けますようにとの願いを込め東寺の名称を記載した木製のクローバー型吊り革になっています。
毎日の通勤や通学時でも、いつラッキーな吊り革に出くわすかもしれないとなれば、通勤・通学列車の混雑にも耐えられそうですね。
写真を見れば一層直接見たくなってしまいますね。
近鉄沿線の10社寺が全面協力
この企画には沿線の10社寺が協力しています。
安倍文殊院(奈良県)
宇賀多神社(三重県)
金峯山寺吉野脳天大神(奈良県)
西大寺(奈良県)
信貴山朝護孫子寺(奈良県)
総本山長谷寺(奈良県)
達磨寺(奈良県)
東寺(京都府)
道明寺天満宮(大阪府)
結城神社(三重県)
これら10社寺では、「台紙付記念入場券」と、特別な吊り革を模した成就を後押ししてくれる「後押しダルマキーホルダー」を発売しています。
「台紙付記念入場券」は、台紙に記載の社寺で提示すると社寺記念印の押印と、縁起の良い参拝特典がもらえることになっています。
近鉄全線で約16万本ある吊り革の中から、あなたの願いに叶う吊り革を探し出すことができるか?
そして、幸運にも「幸せを運ぶ吊り革」に遭遇することができたなら、上記の神社仏閣へ参拝して幸運を呼び込もうという企画なのです。
特にこの期間は正月をはさむので、伊勢神宮や橿原神宮、春日大社などへ参拝する人が多く近鉄電車の利用者が大幅に増加するのも当然狙いに入っているでしょう。
また、駅のホームで電車を待っている時でも設置場所がわかるように目印として、設置車両の窓にはシールが貼り付けられています。
これを見つけるのも楽しみの一つになりそうですね。
変化が少ない移動時間をうまく活用した秀逸な販促企画
近鉄電車が展開するこの「幸せを運ぶ吊り革」企画。
なかなか優秀な販促企画と思えます。
電車の利用者は、普段毎日の移動手段として電車に乗っているわけですが、その変化の少ない移動時間に「吊り革を見つけてつかめばラッキーがやってくる」と楽しみができます。
協力する神社仏閣は、このキャンペーンを通じて多くの人に知ってもらうことができ、さらに参拝者の増加が期待できます。
ついでに「台紙付記念入場券」「後押しダルマキーホルダー」などの売り上げも期待できます。
なにより、吊り革の形状や目印シールのデザインがなかなか優れていると思いませんか?
後押しだるまキーホルダーも可愛くて魅力的ですよね。
この近鉄電車のつかめばラッキーがやってくる!? 「幸せを運ぶ、きんてつの吊り革」企画、電鉄会社が行う販促の中でも、ひじょうにすぐれた企画だと思いますよ。