震災から起死回生の企画力でヒット商品を開発
年末もあと数日。すっかり寒くなりました。こんな寒い夜は、お鍋に熱燗といきたいものですね。
私の場合、お鍋といえば豚しゃぶがメインでして、
薬味は、ぽん酢に大根おろしにネギとなります。
その大根おろしの話です。
おいしくて栄養があるのに、地味な存在感の大根おろし。
そんな大根おろしが大人気というニュースです。
千葉県の地場野菜を販売するショップ「808倶楽部」が販売している
「カラフルおろし」なるものが大人気らしいのです。
今年の10月から販売されたこの「カラフルおろし」。
普通の白い大根おろしに加え、
濃い赤色(白大根&ビーツ)、
赤色(紅しぐれ大根)、ピンク色(紅芯大根)、
濃いオレンジ色(白大根&ビーツ&ウコン)、
オレンジ色(白大根&人参)、緑色(白大根&大葉)、
黄色(白大根&ウコン)、黒色(黒大根)
なんと、色がついて現在9色を販売中で、
口コミで人気となり、
1日販売する30個がすぐに完売になるそうです。
この「カラフルおろし」はすべて手でおろされているもので、
1日の販売量はわずかですが、
店頭に並べられる6時頃からすぐに売り切れてしまうそうです。
販売する「808倶楽部」は、2011年の震災以降、
千葉の地野菜の風評被害で売り上げが低迷し、経営が悪化。
しかし「ここで倒産してしまっては被災地の野菜や関係者に申し訳ない」と、
経営をスリム化して再スタート。
様々な企画販売を考案し、
300円から買えるパーティ用野菜セット「八百屋彫師 野菜」や
「15種類のカット野菜」などのヒット商品を生み出しました。
そして鍋のシーズンとなる10月からは
「15種類の野菜鍋セット」も発売開始。
すると、セット内の薬味だけを買いたいという要望があり、
大根おろしの販売を始めたそうです。
しかし、思ったように売れず、試行錯誤した結果、
「家庭でできない大根おろし」を発想。
大根に着色するという奇抜な発想
売り場で注目を集めるため、野菜で色をつけることを思いついたところ
「野菜でこんな色が出るの?」
「すぐに使えて便利」
「大根おろしなので何にでも使えるのでうれしい」
と評判になり、もの珍しさも手伝って、ヒット商品になりました。
価格は1カップ50円、3カップ100円。
それにしても、大根おろしってそんなに使うのかなぁと
不思議に思います。
おろしているから、日持ちもしないだろうし・・・。
でも、アイデアですね。
地味な食材の大根おろしに、ちょっとした付加価値をつけてると
ヒット商品に生まれ変わる。
随分昔からよく言われる手法ですが、なかなか思いつかないアイデアですね。
残念なのは、手でおろしているので、
量に限りがあること。
あまり大きな売上は期待できません。
ミキサーでおろせばいいのにと考えますが、
ミキサーで量産した大根をおろしは評判が良くなかったそうです。
我々のまわりにも、これに似たアイデアで
がらりと生まれ変わる、地味な商材があるかも知れませんね。