デジタルサイネージを使った缶コーヒーのプロモーションが秀逸!
世の中にはその時々に応じて的をとらえた企画やイベントが多く、興味深いものがたくさんあります。
世界に目を向ければ、初めて目にするものや日本では考えられないようなもの、視点が違うなあと思わず感じさせられるものなどがたくさんあり、結構楽しめるものです。
「違いがわかる男のゴールドブレンド」のCMで知られている(今の若い世代にはわからないかも)ネスカフェ。
ネスカフェは、スイスのヴヴェイに本社を置く世界最大の食品・飲料会社Nestle(ネスレ)が販売するコーヒー製品の商標です。
そのネスレ商品を中国で販売する中国ネスカフェがおこなったデジタルサイネージをうまくつかったプロモーションが秀逸なのです。
そのプロモーションは、中国ネスカフェが販売する「コールドブリューコーヒー(水を使ってじっくりと抽出したアイスコーヒー)」の販促プロモーション。
上海にある地下鉄人民広場駅の一角に設置された大きなスクリーンに、デジタルサイネージを使った映像を体験型のゲーム方式にした、参加型の楽しめるPR企画なのです。
人気番組「VS嵐」のゲームに似た楽しさ溢れるプロモーション
このプロモーションの概要は、スクリーンを使ったゲームに参加し、見事クリアすればコールドブリューコーヒーが1本もらえるという内容です。
参加者は、まずスクリーン前の指定の位置に立ちスタンバイします。
すると、スクリーンの上部からコーヒーのしずくが次々と落ちてきます。
参加者は左右に動くことで、スクリーン下部のコールドブリューコーヒーを動かします。
缶コーヒーの中にうまくしずくを入れていきます。
30秒以内にボトルをしずくでいっぱいにできれば成功です。
するとQRコードがスクリーンに表示され、それを読みとり、近くの自動販売機でコールドブリューコーヒーを無料で受け取る仕掛けとなっています。
多くの人々でにぎわう地下鉄の構内でのこのプロモーションは、多くの注目を集め大成功だということです。
なるほど、面白いプロモーションですね。
ゲーム内容はまるでフジテレビの人気番組「VS嵐」の人気ゲーム「ピンボールランナー」に似ていますね。
頭上にカゴを背負った「ランナー」がベルトコンベアの上を走りながら、ピンボール台を模したスマートボールから落ちてくるボールをキャッチしていくのがピンボールランナーです。
まさにカゴが参加者が動かすコーヒー缶で、ボールがコーヒーのしずくという感じです。
もちろん、この手のゲームはそこら中にあり真似したというわけではなく、このゲームとプロモーションをくっつけた事が見事だといえるでしょう。
注目を集めるどころか、子供から大人まで楽しんで参加でき、しかもしっかりコールドブリューコーヒーの認知度も高くなります。
アイデアの面白さとデジタルサイネージがなせる技が、見事にプロモーションを成立させたよい例だと思います。
体験型とゲーム性のあるプロモーションに注目
今ではデジタルサイネージを使った広告をよく見る時代になりましたが、このような体験型のプロモーション、しかも無人で自由に参加できるタイプのものはあまり見た事がありません。
でも、すぐにこういったものが出てくるでしょうね。
やはり体験型、ゲーム性というのは人をひきつけ、商品やサービスの訴求にはぴったりです。
映像の事はあまりよくわかりませんが、そのうちVRの技術も加えた体験型プロモーションが登場するでしょう。
ゲームソフトなどのプロモーションでは、VRを使ったものも一般的になってきています。
でも、ゲームソフトやIT関連、映像関連の商品のプロモーションなら、ちょっと当たり前すぎてここまでのインパクトを期待できないかもしれませんね。
今回のネスカフェの缶コーヒーのプロモーションのように、ちょっと違ったジャンルの方が人々の注目を集めることでしょう。
そのうち、交通機関の構内はもちろん、ターミナルビルやショッピングセンターなどでこういったプロモーションに接する機会があることでしょう。