コロナ禍で多くの企業や店舗が赤字になっていると言います。
支出が収入を上回っている状況が赤字ですが、一言でいうと「損している」というのは誰でも知っていること。
事業主は、赤字を黒字に持っていくために様々な施策を行っているわけで、そこには並々ならぬ努力やアイデアが必要になってきます。
そのアイデアで赤字の一部を少しでも解消しようと、斬新な企画を実行し、予想外の反響を得ている企業があります。
今回は、赤字を補てんすべく斬新な発想に至った島原鉄道の一例を紹介します。
発想と機能がユニークな赤字ボールペンの発売
長崎県の島原鉄道株式会社は、2020年11月、鉄道のキャラクター商品の一環として、赤字経営をもじって「赤字=赤い色」として、「赤字ボールペン」を販売しました。
この赤字ボールペンは、島原鉄道のオリジナル商品で、3芯式のノックタイプ構造ながら、3色ペンではなく全て赤色のみという変わったボールペンです。
「赤字ボールペン」は、太さが0.5mm、0.7mm、1.0mmの赤色のラインが引けるようになっており、持ち手がわの先端には島原鉄道線を走る黄色い列車、キハ2500形/2550形をデフォルメしたマスコットが付き、台紙として同社の赤字グラフが付属します。
この赤1色で3種類の太さが切り替えられる変わった赤字ボールペンは、そのユニークさとアイデアが注目を集め、なんと製作した5,000本は1週間で完売となったのです。
社長のコメント
「赤字会社にしか作れないものを作ろうと思いついたのが、この赤字線しか引けない『赤字ペン』です。赤色は使う機会が多いのではないでしょうか?」
自ら赤字会社と口にし、自虐ネタを逆手に取って名付けられた「赤字ボールペン」。
そのネーミングと1本1色で3種の芯というユニークな機能、たかがボールペンですが、その発想の素晴らしさに脱帽です。
赤字ボールペン、待望の再販売!
予想を大きく上回る売り上げと話題を集めたことで、再販を求める声も大きくなり、それを受けてこのたび、赤字ボールペンの再販売が決定しました。
再販売は同社社長のTwitterで発表されました。
社長のコメント
この度2回目の販売となりました。また作ってしまいました。しばらくは在宅ワークや外出自粛が続くとおもいますので、巣篭りツールとして、時には一笑しながら活用していただければ幸いです」
このコメントはTwitterとは別にチラシやポスターにも掲載され、またもや注目を集めていますが、「巣篭もりツール」など、ここでも的確でユーモアセンスあふれるコメントに感心させられます。
赤字ボールペンの再販は2月25日(木)より、価格は1本550円と手頃な価格です。
購入できるのは同社オンラインショップ「しまてつショップ」での通信販売のほか、諫早駅、本諫早駅、多比良駅、島原駅、島原船津駅、雲仙営業所、小浜ターミナル、諫早ターミナルホテル、口之津港、鬼池港では窓口での販売も行うそうです。
話題豊富な赤色ボールペン、鉄道ファンならずとも、1本は持ってみたい気持ちになりますね。
魅力あふれる島原鉄道
そんな島原鉄道ですが、沿線には名所もたくさんあり、コロナ禍がひと段落したら一度は行ってみたい観光地です。
特に行ってみたいのが大三東駅(おおみさきえき)です。
有明海を望むこの駅は"日本一海に近い駅”といわれ、ドラマなどのロケ地にもなりました。
ホームの後ろに広がる海は、日によって違う表情を見せてくれます。
有明海の美しい景色と幸せの黄色いハンカチを背景に記念撮影を行ったり、開放的なこのホームでしばらく海を眺めたいものです。
帰りの島原駅では、赤字ボールペンをチェックしましょう!